大森元気/残像のブーケの制作日誌

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ミュージシャンの父より(2018.2.8)

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記事のタイトルにした「ミュージシャンの父より」というのは、南こうせつ氏1991年の歌のタイトルです。

過去たびたび書いてますが、幼少期の音楽教室~ピアノレッスンと、なんとなく家で流れていたビートルズフォークソングを除けば、僕がはっきり音楽を始めるきっかけとなったのは12歳のときに出会ったかぐや姫/南こうせつ氏の楽曲たちでした。

(こうせつ氏デビューが1970年で僕は1978年生まれですからリアルタイムではありませんが、団塊ジュニア世代なので親が聴いていたというパターンは周りでも多かったりします。もっとも現在に至るまで毎年のツアーと野外ライブ、90年代までは年1ペースでアルバム発売と、常に走り続けているこうせつ氏なので、懐古ではなく全世代に親しまれ、ファン層を広げ続けているんですね、そんな彼を心から尊敬します)

神田川」や「妹」などのヒット曲のイメージからは想像しにくいかも知れませんが、彼の楽曲のアレンジにはいろんな音楽の要素が散りばめられていて、フォークやカントリーはもちろん、ブルース、オールディーズ、アメリカンポップス、アイリッシュ、ロックンロール、70sディスコ、レゲエ、80s打ち込み、歌謡曲、ハードロック、それからソウルやジャズ経由のフェイクや歌い回しまで(彼が英詞で歌うときカーティスメイフィールドとの共通性を感じるのは僕だけだろうか)、本来ならば洋楽から学ぶような様々なことを彼の作品から学んできました。

それから音楽的な要素だけでなく、彼の歌の“歌詞”も多岐に渡っています。恋愛や、友情や、青春の歌達はもちろん、反戦や、少年時代の思い出や、緑や川の大事さを訴えたりーそして本題ですがー親子の歌、子どもに向けた歌もたくさんあります。作詞家による歌もたくさんありますが、そういう内容のときはだいたい本人か奥様が書いていますね。(ちなみにこの夫婦コンビで明豊高校の校歌を作詞作曲したりもしていて甲子園で流れたこともあります、なぜか歌入りで!笑)

こうせつ ミュージシャンの父より

「ミュージシャンの父より」はファン以外にはほとんど知られていませんが、彼がミュージシャンという仕事を通じて、安定した職業の親みたいなことは言えないけれど、子どもに伝えておきたかったことを歌にした、そんな作品だそうです。


(余談になりますが、この記事を書くにあたって上の動画を発見したのですが、個人的には驚きのテイクです。この映像は1989年夏のイベントの模様なので、リリースされる2年前にすでに披露されていたことがわかりました。歌詞が半分くらい違っていて、終わり方のコーラスがまだアドリブっぽいです。この歌は1991年リリースバージョンのほかに、18年後の2009年にも歌詞ちがいバージョンを出しているので、そのときどきで子どもに伝えたかったことをリアルタイムな感覚で更新していったのかも知れません。以上マニアック情報でした笑)


この曲以外にも、かぐや姫時代の「うちのお父さん」や「お前が大きくなった時」を初めとして、「しずか」「僕の気分はいつもラララ」「のいちご」「見えない贈り物」「息子」などなど、数々の子どもに向けた歌を彼は歌っています。

僕は結婚も遅かったし、子どもが生まれたのは最近だからそういう歌は書いてこなかった。それに、不妊に悩む人もいれば、あえて産まない人もいる、いろんな夫婦の形を僕は知っているから、ちょっと書きにくいところはありました。イクメンという言葉はあまり好きではないし、過去記事にも書いたように、30代は自分のことを歌うことが多かったから、これからはまた架空のストーリーで書く歌も増やしたい気持ちもあって。

なのでバランスは難しいところではありますが、やはり架空だろうが事実だろうが、自分が書きたい題材で書くべきだというのは変わりないので、こうせつ氏のようにラブソングと同列に、ポップスのフィールドで子どもの歌も書いていけないだろうか?と思い始めているのです。


こうせつ おまえが大きくなった時

 

さてそんなわけで日誌を再開します。時差がすごいことになっていますが。(次の記事からは端折るつもりです)

■2/8(木)
●子どもが出来たとわかった頃に書いた「君に伝えたいこと(仮)」という歌詞の断片が未完のままになっている。鼻歌で作った案がこれまでに2種類ほどあったが却下、あらためて作ってみる。言葉が多いのでメロディーがうまく流れていかない。そして理屈っぽくなるのを避けたい。一度歌詞を無視して曲優先で作り直すのもよいかもしれない。 

他方、デモ公開済みの「ぼくの愛する暮らし」は、直接子どものことを扱った歌ではないけど、子どもがいる設定での歌だから、この「君に伝えたいこと」両方収録するのはバランス的にどうか?という迷いはある。

冒頭コラム部分で書いたように、拒否反応を示す人や共感しない人も一定数いるだろうから、それが2曲ともなるとどうなの?というところはある。ただ、リスクも覚悟した上で、これからの自分の歌うべき歌のひとつとしてそのテーマとして避けられないと思う。僕の40歳のタイミングで発売する予定だから(※)、節目の作品ということで今思っていることについての歌を入れておきたいという気持ちがある。

(※結局誕生日までの完成は叶わなかった。でも40才のうちに完成させたいなぁ...)

ひとまず暫定で弾き語り録音し電車で聴いてみる。イマイチだったら収録見送りにしようと思ったが予想よりマシだったので仕上げてみる価値はあるかもしれない、と思った。

●ここまで見えてきたので、宮下君・足立君とスケジュール調整再開。ドラム追加は4月完成を考えると予算的にも時間的にもきついが、パーカッションならなんとかなるか?スガタさんに依頼を検討する。(打診はまだ)

 

●収録曲案は数日ごとに変わっていく状況。6〜7曲入りを考えているが、弾き語りの「冬のスリーフィンガー(仮)」をラストに持ってきて、7〜8曲入りもありか。曲数を増やし価格をあげ、ドラム録りにあてるのも手だ。