大森元気/残像のブーケの制作日誌

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長い歌詞を短くしたい時・しない時(2018.2.11〜20 RECは進む)

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4ヶ月遅れになってしまったので、ペースアップしよう。そもそも書く義務などないのだから、やめてしまってもいいのだけど備忘ということで始めたからもう少し続けてみよう。録音の時間を削って、という本末転倒なことになればそのときはやめないとですね。 

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◆2/11(日)
「君に伝えたいこと・仮」2/8に書いた新メロディーを下敷きにに修正、歌詞も整えていく。歌詞が多くて長くなってしまう問題。殴り書きで6分50秒。これを5分台まで縮めたい。

歌詞が長くなることはこれまでもよくあって、こんなステップで縮めていく。
(1) 無駄や重複を省く
...同じ意味のことを何度も言っていないか(リフレインは除く)。

(2) 削除しても意味やストーリーが通じるなら削る
...説明しすぎていないか。論文じゃないのだから言葉は飛び石的でいい。行間を読ませるということ。想像してもらう余地が大事。 

(3) 乱暴にあっちとそっちをくっ付ける(不思議に意味が出てくる)
...これは(2)をもう1段階進めた手法で、意識しないとやり忘れるがこのくらいしても大丈夫なことを最近学んだ。なんなら全部分解して組み立てなおすくらいでいい。そうするうちに意味が通ってくるんですね不思議と。

そして、これ全部やってもダメなら「テーマが複数ある」ということ。それなら諦めて2曲に分ける。さもなければディランもしくはさだまさし的に「長いことに意味がある」と開き直って長い歌にするか。


大森元気SpecialBand「朝もやのブルース」2014.9.6お茶の水サンクレール駅前広場

この動画の曲はあえて長いままにした例で、8分越え、ディラン調の歌ですね。今回はそういう気分ではなくて、前々記事で紹介した「ミュージシャンの父より」みたいな歌が理想だから、5分台まで縮めたいなぁと。


◆2/12(月)
・アコギ録音(ギルド使用)
「旅する~」「メランコリー」「冬のカーブ」「サクラサク
サクラサク」はレギュラーチューニング(ギルド)×2本、ナッシュビルチューニング(注1)(K.Yairi)×1本。あの素晴らしい愛を~的豪華な感じになってしまったためヤイリは却下。

サクラサクベース。仮のつもりが深追いして時間かかる。

注1)ナッシュビルチューニング...ギターには弦が6本張ってあるが、低いほうの3~4本を1オクターブ高い弦に換えるチューニング方法。低い弦がないので弾き語りには向かないが、アンサンブルの中で鳴らすと12弦ギターのようなきらびやかな効果を出すことができる。他の変則チューニングと違い、いつもどおりの押弦で演奏できるので練習する必要がない点もよい。邦楽では伊勢正三の「22才の別れ」が有名。僕も残像カフェ時代「グラフィティー」等時々使用しています。


◆2/13(火)
「冬のカーブ」のサビ終わりの2小節をずっと悩んでいる。移動中や空き時間など、頭の中や鼻歌でずっと考えている。年始に仮で歌った暫定バージョンを超えるものが思いつかない。かと言って暫定バージョンもあまり固まっていないのだけど、これを整えたらそれが正解か?!と思うもそうでもない。そんな感じでたった2小節のために2ヶ月近くかかっている。


◆2/14(水)
朝。
サクラサク
・リズムトラックの打ち込み作成。キック、ハイハットハイハット踏む音の3点で、過去デモを踏襲。このパターンはMTRのプリセットではなくて自分で作ったものだろうか。いずれにせよシンプルながら的を射ていて、程よい無機質感とアコギのなじみがとてもよいので、このデモの延長で行こうと思う。

この曲、花と路地のライブテイクが良すぎて、レコーディングするかどうか自体を迷っていたのだけど、その古いデモの存在を思い出し聴いてみたことでこの方向なら録る意味があるかもと思え、レコーディングすることにした経緯がある。

・アコギ2本録ったが、フレーズを詰めたい箇所があったため後日録り直し検討。


サクラサク (live) / 花と路地

夜。同曲。
・エレピ。
・スネア&タムの打ち込み。これはループのリズムトラックと区別して、生で叩いてる体(てい)で。生音のスネアをサンプリング的に貼るのも試したいな。


◆2/15(木)

「旅するように歌うのだ」
・楽器が多く、アコギ2本ではうるさいので1本になるよう1本目前半と2本目後半をくっつけてラフミックス。→聴いてみて、悪くはないがやはり両方欲しい部分もあり、前半は1本→後半は2本という流れでミックスを作る。これがトゥーマッチなのか本当に必要なのかはわからない。後ほど判断したい。
・それと、ストロークにはこのマイキングは合っていなかったようだ。中低音の太さが欲しい。ダイナミックマイクで録り直ししてもいいかも知れない。

夜〜翌朝
・同曲アコギうるさい問題(上記参照)。1本→途中から2本というのは変えず、2本になってからのアルペジオのバランスを薄くしてみた。定位(聞こえてくる方向)は本来なら振り分けるところをあえて同じにする。コードをライブのときと変えており、音がぶつかっている部分が所々あるので編集で修正中。弾きなおしたほうが早いか?

・「サクラサクのベース録り直し。普通にカントリーのツービートで一旦弾いたが、それはそれで正解なのだけど少しひねりが欲しくなったので。カントリーの曲だが、16っぽいノリの、言うなれば細野さん的なフレーズを混ぜていく。

「メランコリー」エレピ2本目の音色を変えてみる。(過去記事参照、普通は2本入れないエレピなので、それぞれの音の区別化のため)


◆2/16(金)
各曲、昨夜のミックスを聴く。「旅する~」のアコギ1本→途中で2本になるミックスは良さそう。ただ音質はやはり微妙で、ミックスでいい感じにならなければ録り直し必要。


◆2/17(土)
制作会議2回目。議題は先日と同じくCD/CDRどちらにするかと、活動の方針について。

事務所ないからって諦めてないか?最近は周りのバンド達が次々とCDでリリースして、インストアやったりレビュー書いてもらえたりしている。売り出し中の若手ではなく、同世代のバンドがいくつも。

僕はといえば売り出し期間が終わり、時代や状況も変わり、どこかで諦めていた部分はあるのかも知れない。10年も前のやり方ではなく、これからのやり方を探す必要性をもっと自覚しなければ。同世代バンドの姿勢や、情熱や、フットワークを見習うと同時に、情報収集もしなければと思う。


◆2/18(日)
サクラサク
先日弾いたベースの編集作業。オーソドックスなカントリースタイルに、ファンキーな16ビート成分を足して弾き直した複数テイクを1本に編集していく。ファンキー要素はやりすぎてもしつこいし、やらないとつまらないし、割合が難しい。編集ばかりでなく部分的に弾き直しも何度も行った。結果的にこの週と翌週までかかってしまったが、とてもよいものが出来たと思う。

 

◆2/19(月)
朝。
・「サクラサクベース編集のつづき
・「メランコリー」の2本目のアコギをダイナミックマイクで撮り直すべきと思っていたが混ぜてみると悪くないと思えてきた。様子見。
・「旅する〜」はいい曲だとは思うが長めだし、ワルツとは言えバラード感があるので、並べて聴くときに最近は「メランコリー」(仮曲順2曲目)から聴き始めることが多くなった。人気はあるが、1曲目にしていいのか?とちょっと迷ってきている。
欲を言えば別のリード曲を作ってそれを1曲目にし、「旅する」はラスト曲にしたほうがいいのかも知れない。今からリード曲を作るとなると春には到底間に合わないし、ドラム録りの予算を追加しなければならない。ひとまず新しく作る案はやめて、曲順は保留とする。

夜。
・「サクラサク仮歌REC(のちほどSoundCloudに公開したテイク)
・「冬のカーブ」も仮歌。

・マイクと部屋鳴りの相性について。
スタジオで録る以外は、引越前も後も自宅の一角でレコーディングしているのだが、新居は部屋鳴りと相性が悪く、コンデンサマイクで録るとうまくいかない。(普通は繊細で高価なコンデンサを使うのが主流)それでダイナミックマイクで録ることが増えてしまっている。声関係が特にうまくいかない。どうにかしようと思い、うしろに毛布を立てたりしてリベンジしてみた。部屋鳴りもそうだが、マイクからの距離なども検証。音環境をもう少し整えてみたい。

あと根本的な解決とは別の話になるが、別のマイクも試したいな。足立くん宅で先日使ったマイクは調べてみると、価格に似合わずとてもよいと評判のマイクのようで、同じものでこの部屋で録ったらどうなるのか試してみたい気もする。


◆2/20(火)
「冬のカーブ」の先日録りなおした新テイクを聴く。録ったときには微妙かも?と思ったが、聴いてみると悪くない。2ヶ月悩んでいるサビケツ(注2)は気になるが、ケツのケツだけ整えてFIXとしようか。ケツ前半はもうこれでいい気がする。時間切れともいうし、充分に検討したとも言える。

注2)ケツ...いきなり下品な言葉でごめんなさい。お尻の「ケツ」なのか、「結び」の「けつ」なのかは不明だが、レコーディングやリハーサル現場ではよく使う言葉です。要するに「終わりの部分」という意味です。

夜。
サクラサクのベース直し続き。3箇所くらいの修正のはずがどんどん深みにはまってしまいテイク数も膨大に。どれがいいのかもわからなくなってきた。今日のベストテイクをラフミックスして終了、明日聴いて判断する。

「冬のカーブ」に雰囲気系のラフなピアノを入れる。良いし、曲に合うのも録る前から分かっていたがありがちすぎるか?というところて悩む。もうひとつ楽器を入れたくて検討中。