大森元気/残像のブーケの制作日誌

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男女それぞれの気持ちを交互に描く(歌詞を2倍に) 2019.3.13~19

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◆歌詞を増やしてみる
3/13(水)

「恋は終わってしまった」の歌詞を増やしてみることにした。

ライブでやっていたバージョンは(動画参照)短かめの尺で4番まであり、それぞれのコーラスが春・夏・秋・冬となっていた。これが分かりやすくて良いとも言えるけれど、どうも四季が目まぐるしく過ぎてしまう印象で内容に深みがない気がしていた。

短い歌を書くのが苦手でいつも長くなってしまうから、「この物足りないくらいがちょうど良いのか?」と自分を納得させようとしていたのだが、試しに一旦伸ばしてみようかと、それから判断してもいいかなと思った。

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第1段階として、この日は春・夏・秋・冬のあとに次の春が来るようにし、5コーラス構成にした。


3/19(火)
同曲、歌詞を長くする方法で別の案を思いついた。春・夏・秋・冬の4コーラス構成を、春春・夏夏・秋秋・冬冬の8コーラス構成にし、さらに「僕」目線と「君」目線を交互に描くというアイデア

メロディー的にはディラン「昨日より若く」系なので、8コーラス延々と繰り返すことに関しては不自然ではないと思う。少々長くはなるが今回は他に長い曲もほぼないので1曲くらいは敢えて長くてもいいかと思える。


吉田拓郎外は白い雪の夜
1曲の中に男性・女性それぞれの歌詞が交互に登場するのは、歌謡曲のデュエットソングでは珍しくはないが、ボーカル1人が二役を演じる手法、殊にフォーク/J-POPではあまりないように思える。

僕がやはりすぐ思いつくのは吉田拓郎氏の名曲「外は白い雪の夜」(作詞は松本隆氏)。別れ話をする喫茶店での場面を男女それぞれの視点から交互に描いていく名曲。

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94年に1度だけ出演した紅白歌合戦で歌ったのもこの曲でしたね。普段は各自メインを張っている凄腕ミュージシャン達が一堂に会して繰り広げるセッションの熱さに言葉を失いそうになります。宮川泰(Key)、日野皓正(Tp)、日野元彦(Ds)、大西順子(Pf)、渡辺香津美(E.Gt)、石川鷹彦(A.Gt)、金沢英明(W.Ba)、吉田健(E.Ba)という超豪華な顔ぶれ。(ちなみにコーラスには森進一、前川清五木ひろし。これはいかにも紅白っぽいけど)

ギター持たず、前すら見ない、うろうろしてる、拓郎氏のこの照れの隠し方は、90年代以降の彼ならではの「格好の付け方」であり「過去像との決別」だと今なら理解できるけど、当時は長髪時代のカリスマ像がまだファンの間に根強く残っていただろうから肩透かしをくらったのじゃないかなあ。僕ももっと堂々とすればいいのにと思った記憶が...。

音質もう少しよさげなのがありました→吉田拓郎 紅白歌合戦 - YouTube


【後日追記】
久しぶりに見返してみたらこの拓郎もこれはこれでかっこいいんだよな。やっぱり当時の(昔を引きずった)勝手なイメージってのがあったのだと再認識した。あとひょっとしたら照れ隠しであると同時に、「凄腕ミュージシャンを是非見てもらいたい、ボーカル&オケではなくみんな並列なんだから」っていう気持ちもあったのかなあと。名盤『Live’73』なんかも、同じ理由であえてボーカルを小さめにミックスしたと何かで読んだ気がするし。

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この演奏のためのリハーサル風景を見つけた。石川さんも拓郎氏も最後のほう、あまりの演奏の凄まじさに笑ってしまっている。



◆僕と君がすれ違いながら季節がめぐっていく的な
話を戻します。この手法は、過去に僕も「Smile」という曲で一度やってみたことがありました(未音源化ですが動画があり)。

そして今回の「恋は終わってしまった」。ここで再びその手法を取ることを思いついたのでした。

この曲は、恋が始まり、深まって、終わるまでの歌だから、君と僕という「視点の違い」に加えて「時間軸の変化」も描ける。それぞれの季節のなかで、僕と君との関係性が変わっていく様とか、同じ事象における気持ちの違い(すれ違い)とかをうまく描けたらとても面白そうだ。たとえば「僕」がまだ盛り上がっている頃に「君」は冷め始めていたりとか。

自分の中でこの思いつきは大発見で、興奮しつつこの日いろいろ書いた。9番か10番くらいまで書いた記憶が。まだ殴り書きなので推敲が必要。


◆冷静に判断しよう
「ブランケットブルース」
をプレイリストに入れ通して聞いてみた。流れは良い。アルバム全体のボリューム感(長さ)が大きくなるのは多少気にかけているが薄っぺらなアルバムにもしたくないし、ここにあって良いと思いたい。

前記事のとおり収録曲は決定したので別の曲を足す可能性はもうないが、この曲を録るかやめるかという判断は冷静にしたいと思っている。

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今回は録音しないが、僕の男女交互パターン第1作となった「Smile」という曲。落語のように顔の向きを変えて男性と女性を区別化して歌ってみてました。誰も気づかなかったけど笑)