大森元気/残像のブーケの制作日誌

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GW6日目 ありがちなギターソロではなく...(Dr.Kとエイモスと)19.5.2

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2019.5.2(木・祝)
GW6日目。
◆「メランコリー」
・VO...編集続き→完成
・ダブル用VO... 編集&録音も→完成
・EG...1箇所弾き直し。


「涙が出ちゃうよ」
◆ギター1リテイク/ギター2追加

・以前に録った仮テイクのEGを使うかずっと迷っていたが、弾き直すことにした。

・このEGの役割はコードのカッティングだが、コード弾き以外につい弾いてしまったフレーズ弾きがわりとよかったのでこれを新トラックに移動。EG1は「歌いながら弾いている」という位置づけなので、コード弾きに徹する。

・新トラックに移したEG2は必要な所のみ出てくるという選択肢もあったが、試しにずっといる人として頭から終わりまで弾いてみた(もちろん休むべきところは休む)。サビでは2本のギターが微妙に違うパターンで絡み合いながら刻むのが気持ちよい。


◆ありがちなものでないギターソロを探して
同曲。アウトロは当初オルガンソロにするか、もしくはソロ不在でいこうと思っていた。だがフレーズ弾きのEG2が追加になったため、アウトロもEGがソロを弾かないと変な感じになってしまった。なので弾くことに。

他の曲にも言えるけれどソロはありがちなロックの感じにしたくなくて(特にこの曲は一度ロックの感じでライブverをリリース済みということもあり)、今回は新アレンジでの再録なのでその意図も壊したくない。


Tighten Up 1/2 [Bernard Perdie, Chuck Rainy, David T Walker, Lou Donaldson ...and more !!]
マッキンが弾いてくれたベースが、意識していたのかそうでないのか、この「Tighten Up」を彷彿とさせたので、David Tのギターソロのオマージュをしてみようかなと思ったり。

(このライブ盤は僕が大学のジャズ研に入ったときにヘビロテしていたものだ)

何テイクか弾いてかっこよくはあったが、まんまというのも畏れ多いし(オマージュというものは熱烈で仕方ない程のファンがやるべきものだ)結局不採用にする。



◆たどり着いたアプローチ
そもそも過去曲であるこの曲のアレンジを変えようと思った当初から念頭に置いていたのが、「ソウル感」、(リズムは違うけど)「ディスコ感」、勝手なキーワードとして「77年感」という方向性。

元ネタは分からないが、南こうせつ氏や伊勢正三氏、吉田拓郎氏が70年代後半こぞって取り入れていた洋楽のファンキーなリズムがあって、今回それをオマージュしたリズムで指定して、キックとベースでシンクロしてもらった。

そういう経緯と方向性があったので、それに合うソロってどんなだろうと模索した末、“なんちゃって”にはなるが「エイモスギャレット+Dr.K」というアプローチでチャレンジしてみた。

これは正月に400テイク録った「メランコリー」と同じアプローチで、作りながら録っていったから本当大変だったのだけど、出来たものは手ごたえがあったからもう1曲この線で行くのはいいアイデアだと思えた。


Maria Muldaur - Midnight At The Oasis

ご存知エイモスといえばこのギターソロ。こんなふうには弾けないし、狙ってもいないです。あくまで雰囲気と気持ちだけ。


Amos Garrett "Sleepwalk" Japan Tour 2007

この近年のライブ映像。動くエイモスを(画面越しだけど)観たのはこれが初めてだったこともあり、衝撃受けて繰り返し観たなぁ。


そしてDr.Kこと徳武弘文氏は、冒頭に貼ったジャケ画像はソロアルバムのものだけど、ぼくは歌伴の仕事が大好きで、特に90年代~2000年代に南こうせつ氏のバックを務めていたプレイに本当に影響を受けまくった。(その他、70年代から今日に至るまで、泉谷しげるブレッド&バタームーンライダーズ吉田拓郎、00年代以降の細野晴臣、そして自身のバンド「ラストショウ」やベンチャーズ関連のコラボ、数々のCM曲などでも活躍)

いい動画がなかったので貼ってませんが、90年代~2000年代初頭のこうせつ氏のアルバムにはすべて参加していて、本当に僕はその作品たちで育ったと言っても過言ではなく。

↓は78年の吉田拓郎参加曲。


虹の魚


【再アップ】 moonriders  髭と口紅とバルコニー 【Live.2011】

こちらはカントリー全開なアプローチで2011年のムーライダーズ参加時。ああカッコ良すぎる...

カントリーリックをポップなメロディーにはめ込んでいく。彼とすぐわかる音色とタッチ。僕は若い頃はブルース系のスタイルや歪んだファズギターでカオスに弾いてばかりいたけど、歳を重ねるにつれ徳武さんみたいに弾けたらなあという気持ちが年々強まっている。カントリーなんだけど、カントリーじゃない曲にも適応できるし、それがまた何というか、曲をぐっとポップにすることができるんだよなあ。

というわけで150テイクほど考えながら弾いていく。どんどん訳がわからなくなる(笑)。気づけば最終的に良いものが出来ていた!どんどん深みにはまっていって、途中で簡略化にも努めていくうちに結局普通っぽくなってしまったような気もしないでもないけど...笑 でも納得のいくものが出来たと思う。