大森元気/残像のブーケの制作日誌

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MV制作で切羽詰まる/北沢ロケ/コメント公開(2022.4.9-4.18)

採用していないテイクからのキャプチャー。このカップルが絵になってよかったのですが別のカップルがそれ以上によかったので不採用となりました。両カップルとも本当ならきちんとした手続き踏んで顔出しで出演してもらえたら立派なMVが出来るのになあ...とも思いつつ。。

メランコリーMVあれこれ検討

4.9 (土)~10 (日)
CD→発売済、配信のもろもろ→基本的な登録、歌詞のリアルタイム登録、そしてサブミット登録も済んだところで手続きはすべて完了。10日後に解禁予定。残るタスクはMV制作、そして諸々のプロモーション。

MVは「メランコリー」の方向で考えているが間に合わない可能性大、それを見越して別曲のリリックビデオも検討。


ずっと温めていた「メランコリー」MVの構想
「メランコリー」
のMVは、去年の初夏1度目のマスタリングが終わったくらいからずっと構想していたが制作に入れずにいた。

歌詞の主人公が女性なのでMVにも20代くらいの女の子に出演してもらいたくて人選に難航(用意できるギャラが少なかったためそれも選択肢を狭めていた)、加えてコロナの第5波で思うように動けなくなりそうこうするうちに冬になってしまった。

過去記事で書いたとおり2021年のリリースが何もなくなってしまうと気づいて、急遽「旅するように歌うのだ」のシングルリリースを決定した。そのため「旅する~」のMVを先に作ることになり、そのため「メランコリー」は保留となった。


◆現実的な案は?
そんな経緯を経て年が明け、春が来てアルバムが発売になった。いよいよMVに取り掛からなければいけない時期。

もはやメランコリーで行くのかどうかも分からなくなっていたが、ひとまずやらなければならないことが次から次へとあったので、MVは配信リリースより後のタイミングでもやむなしと考えていた。

とは言えリリース後なるべく早く完成させたい気持ちがあったのと、リリース当日に何もアップするものがないという問題に直面。そんなこんなで焦り始めていた。現実も見つついくつか案を。

・A案:人にオファーしてきちんとしたMVを作る(女の子の出演あり)
・B案:制作は人にオファーするが女の子出演なし
・C案:自作で何らかのMVを作る(ただし演奏系は前回やったのでそれ以外)
・D案:実写以外。デジタル画的なもの?もしくは漫画を強引に動かす?


◆デジタル画クリエイターをリサーチ
D案、イラストもしくはアニメーション的なものについて、自分ではできないので誰かよい人がいないかネット等でリサーチしていた。2名ほど作風的に合いそうな人を見つけた。

ただストーリー仕立てになると膨大なカット数が必要となり時間も製作費も膨大になる。それならばループ的なものにしてリリックビデオにするなら現実的か。(その手法で素敵な作品を偶然テレビで見た)

それを依頼するとして「メランコリー」なのか、もしくは別の曲なのか。(「メランコリー」は何となく実写にこだわりたい自分もいて...)検討は続く。


飛び出すように撮影へ

◆配信リリース日にとにかく何かを公開したい
実写にしてもデジタル画にしても時間がかかることは確実。そうなると約10日後の配信リリース日に間に合わない。当日に何も公開するものがないというのは避けたい。

「メランコリー」を、たとえば作りこんだものを諦めて、簡易的に━━たとえば街のスナップなどで作れるかどうか(=前述のC案)。

もしくは別の曲で間に合うならそれでもいい。候補として「恋は終わってしまった」を検討中。とにかく何かは間に合わせたい!ということで、もろもろ決めきれない状態のままとにかく街へ撮影に出てみることにした。下北沢へ。


◆生まれ変わる下北沢にたじろぐ
再開発問題でミュージシャンもまきこんであれこれやっていたのも今は昔。小田急の踏切撤去から10年くらい経ったのか。その後もたびたび下北沢は訪れているが引っ越したことやライブが減っていることもあり昔ほどどっぷり入りびたることもなくなっていた。

そしてこの日はコロナの反動か、晴天とGW並みの気温上昇のせいか、まあ昼時の時間というのもあり本当信じられないくらいの人の量で、お洒落なお店もたくさん出来ていて、もうなんか僕の知ってる下北じゃなかった。(後から知ったが新街区・高架下施設「ミカン」はこの10日前にオープンしたばかりだった)

変わってしまって嫌だとかではなく(街が衰退していくほうが遥かに悲しいわけで)、それはさておきいずれにせよじっくり撮影できる感じではなかったので作戦を練り直す必要に迫られる。

当初のうっすらの目論見として、「茄子おやじ※」に撮影交渉とか、「八月※」にもし曽我部さんがいたらCD渡したいなとか、440近くの花屋さんに外観だけでも撮らせてもらえないかなとか色々考えていたがとてもそんな呑気な状況ではなく。カレー屋さんは両店とも行列で忙しそうだったし、花屋も何となく違う気がして下北撮影は断念し移動。

※茄子おやじ...下北沢の人気カレー店。店長はバンドマンで過去に対バンしたことあり、共通の友人もいる。
※八月...こちらも人気カレー店で曽我部恵一氏がオーナーだ。


◆場所を移し撮影
移動してとある遊歩道へ。ここはまだ僕が都内に住んでいた頃に何度も通ったことのある道で、1キロくらい遊歩道が続いていて小さな川も流れている。いつか撮影したいと思っていた場所だ。ここで小一時間撮影。

ちなみに数日後に曽我部さんが同じ場所で撮った写真をSNSにアップしていて、どうやら犬の散歩コースのようだ。僕は撮影より後その投稿で初めてそのことを知ったのだが、公開順でいくと曽我部さん→大森なので、また「大森元気、曽我部さんの真似した?」みたいな誤解が生じかねないなあと苦笑。

話が逸れたが、遊歩道撮影後さらに移動し羽根木公園でも少しだけ撮影。


4.11 (月)
前日撮ったムービー素材を「恋は終わってしまった」に仮で当ててみる。ワンカットもの(編集なしの長回し作品)を考えていたがイマイチ。そもそも「恋は~」は春夏秋冬移り変わっていくしテンポ感もある歌なのでワンカットものは合わないのだ。(しかし後日妻のアイデアで早送りにしてみるとこれが曲の疾走感と合致してバッチリはまり採用となった)

「メランコリー」でも試すがこちらもワンカット系ではイマイチに思えた。ワンカット系を却下するとなると今度は撮れ高が全然足りない(この時点ではティザーでなくフル尺を考えていた)。撮影素材はすべて一旦保留にする。

別案のデジタルで絵を描く案をダメ元で自分で試してみるもすぐ断念(手描きでも素人感出るが、それ以下だった)。人に頼むとしても配信解禁日には間に合わない。さて困った。

コメントをもらって気づいたこと

4.12 (火)
コメントが12名(+翌日に1名)集まったし、配信スタートまで1週間ということでホームページに特設ページを作成。ちなみに前記事で押し曲をどれにするか迷っていたことを書いたが、コメントでも人気曲の票は見事に割れていて、嬉しい一方まったく解決にならず笑。


4.13 (水)
◆「おかえりなさい」という言葉に涙
コメント第1弾として13名分を公開。依頼するとき「期限はありません」と伝えているので今後もどんどん追加していくという方法を取る。(6月まで断続的に続く)。
>>ホームページ内コメントページ

いろんな人に連絡したが、本当にいろいろな人が返事をくれて、コメントも快く書いてくれた。大げさでなく、感激しっぱなしだった。最初の頃は免疫なくていちいち涙ぐんでいた。特に「おかえりなさい」とか、「勇気をもらった」とか、そういうふうな言葉は思いがけなくて尚更嬉しかった。


◆変わらない”声”という武器!?
あと自分ではっとしたのは”声”についての言及が目立ったこと。
「あの頃と変わらない声」とか「千切れるか千切れないか/憧れる声」とか。メロディーやアレンジ・歌詞などは意識してこだわったが、声についてはあんまり意識してなかったというか、「上手に歌いたい」とは思っていたが、独自性というか魅力とかそういうことにはけっこう無意識だったので思いがけず非常に嬉しかった。

声はこれから変わっていくかも知れないし、維持していくのが大変な年齢に入っていく。ライブが減ってリハスタの回数も少なくなっているしもっともっと意識して鍛えていかないとなと思った。


◆地味なのかポップなのか?
もう1つ意外だったのは「ポップ」「全曲A面」みたいなことも書いてもらえた。これは完全に予想外だった。

自分では「売れ線が1曲くらいあればよかったなぁ」「気に入ってはいるけど地味だよなー」なんて思っていたので。音楽をやっている人からの目線なのでその分差し引いて考える必要はあるにはあるが、少しほっとした。

長期間作り続けてやっと完成させたアルバム、自分の中では達成感があるが、それが人に伝わるかどうかということはもう全然わからなくなっていたから。


◆繋がっていた変わらない関係性
また状況として、この10年くらいライブも少なくなっていたし、SNSは更新しているけど公のメディアに取り上げられることも少なくなっていた。要するに<表舞台から退いてマイペースにやっているような人>と思われているだろうと。

だから、いろんな人から大絶賛の言葉をもらえたことが本当に夢みたいだったし、頑張ったご褒美ではないけれど、予想外のプレゼントというか。そういう感じだった。

それにしても10年ぶりとか、15年ぶりとかにダメ元で連絡したのに、当時と変わらない親密さで返事をくれた人がたくさんいたこと。その中には今第一線で活躍していたり、テレビに出たり、世界的評価を得ていたりといった人だっている。そんな彼らが、世間的にはもう表舞台から消えてしまったも同然の僕に、昔と変わらず同じように言葉をくれたこと。本当に本当に嬉しかったのだ。


◆有料広告について問い合わせ
複数の会社に出稿記事の料金について問い合わせ。すぐ回答もらえた。本当にお金かかるんだなあという感じ。バナーのみとかだったら手が届かなくもないが、予算全体に占める割合で考えるとバランスがおかしなことになるな...。そこまでの効果があるならお金をかけるべきだが、ちょっと分からないなあ。(→結局有料の広告は打たず)