大森元気/残像のブーケの制作日誌

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「ぼくの愛する暮らし」RECと風オマージュ(2017.12.31)

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12.31(日)

■弾き語りデモ
・「日々のブルース/仮」(=ぼくの愛する暮らし) ver5
5バージョン目。主にBメロで迷っているがこれでようやく本RECまでいけそうと思えた(結局直すけど)。

・「冬の庭/仮」 ver3
サビ後半部分を作り直す。アウトロに新メロディーでラララ追加。


■「日々のブルース/仮」(「ぼくの愛する暮らし」) レコーディング
デモか本チャンかはさておき、ようやくDAW(パソコン)でのレコーディング。
アコギ4本、オルガン、ボーカル、迷ったがベースも入れた。ドラムの有無も迷ったが、仮で打ち込みドラムループを作成。同じく打ち込みでコンガとシェイカーのループ。生でトライアングルとタンバリンも。

紅白の裏で1回目のミックス完成するも、ずっと悩んでいたBメロがやはり微妙に思えてきたので作り直し。何パターンも歌い直し、コード変えたり。そのつど楽器類を修正。さらにコーラスも何本か重ねて明け方完成。




◆「ぼくの愛する暮らし」と“風”のこと 


「風をたずさえて」の歌詞と世界観
「風をたずさえて」と「地平線の見える街」という歌があります。ともに70年代のグループである“風”の楽曲。「ぼくの愛する暮らし」は、この2曲へのオマージュを込めて作りました。

青春や男の生き様を歌う。でもよくある暑苦しい感じではなく、エイトビートで爽やかに吹き抜ける。例えばテンションの高い応援ソングなんて聴く気になれないような時、聴いているとどこからかじわじわと力が湧いてくる。「ああ、頑張ろう、、、」って思わせてくれるような。そんなことが何度もあって。そういう歌こそこれから自分が書きたいテーマの1つだなあと。それで自分も同じ切り口で書いてみようと思ったのがそもそもの始まりだったのでした。

家族というテーマ
“俺はこの街に住んでみせるんだ”というラストのフレーズが最高な「風をたずさえて」は、“東京に憧れて上京した独身サラリーマンが、変わらない毎日をそれでも前向きに生きる” そんな歌。今回僕が書いてみたのは、そこに家族(妻と子)という要素を入れて、“家庭を持った男が電車通勤に疲れながらも、生きる意味を見つけて頑張っていく”、そんな内容。

もちろん娘が生まれた自分に重ねた部分は少なくなく、歌詞に「子ども」(の寝顔)が出てくる初めての曲になりました。(一応過去にも「まだ見ぬ我が子を思う」と、未来形で使ってはいたけど)

「地平線の見える街」の不思議なアレンジ
アコギを4本重ねる。これは同じく“風”の「地平線の見える街」からの着想。スガタさんのドラム録りに間に合わなくて、でも弾き語りもなんだかなぁ..ということで代案として思いついた。スリーフィンガーやアルペジオなら何本も重ねることはよくあることだけど、ストロークで何本も重ねるというのは、意味がないようなあるような、アクセントで遊んでみたり、カポやチューニングを変えたり、セッションみたいで楽しい。4本別々のプレイヤーが弾いたらもっと面白いだろうな。いつかやってみたい。

それから同じくオマージュで、1拍目を弾かないベースを試す。レゲエでもない限り、ベースという楽器はだいたい必ず1拍目は鳴らすもの。それでビートとコードの両方の土台を担うのだが、風の「地平線の見える街」という曲はどういうわけか1拍目にベースが鳴っていない。それ以外にもコード進行が何箇所かひねくれていることや、スネアドラムのタイミングも通常のエイトビートとは違う位置に変えてあったりで、少しだけ奇妙な印象を受ける。王道進行でもいける来曲だから照れ隠しだったのかも知れないし(当時スティーリーダン等に傾倒し、フォークからの脱却を図っていたそう)、直前に出たヒット曲「ささやかなこの人生」とテンポ感が似ているから区別化を図ったのかもしれない。

妄想の域を出ないけれど、とにかくそれをオマージュしてみた。なるほど、奇妙なベースは一瞬どう弾いたらいいか分からなかったけど、ちょっとレゲエのノリにしてみたらうまくいった。

※「ぼくの愛する暮らし」はYouTubeで公開中(次回更新の日誌にも貼る予定)
※「風をたずさえて」「地平線の見える街」は見つけたら貼っておきます。


風(伊勢正三)を改めて聴き倒した秋でした。
“風”については秋頃ブログで書きました。普段から常々聴いている彼らですが、去年の秋は自分的に初のフォークデュオ編成でステージに立ったこともあり、ここまで夢中になるか?ってくらいのマイブームでした。毎日欠かさずヘビロテしてましたね。かぐや姫時代~伊勢正三ソロも含めてですが、聴かない日はなかったです。

kitakamadays.hatenablog.com


伊勢氏の声質や歌い方がどんどん変わっていくことについても上のブログで書きましたが、その研究みたいなこともしてました(歌い癖の変遷、声自体の変遷、どういう姿勢や口の形をすれば同じ発声になるかとかまで...)。僕自身、今は歌い方について昔ほど悩んではいないけれど、伊勢氏の歌い方を習得してみたいという気持ちにちょっとなってみたり。

前記事で「僕の音楽の原点」として南こうせつ氏を挙げたけれど、こうせつ氏とともにいま自分のやりたい音楽や、自分の作風のヒントをもらっているのが“風”なんです。