大森元気/残像のブーケの制作日誌

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BEST盤『メランコリー』が出来るまで(前編)2018.4.5~11

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◆30代を総括するBEST盤
4/5(木)
4/21の感謝祭で何かしら音源を発売したいと思っていて、当初は2~3曲入りでもいいから制作中の新譜から先行盤を考えていた。けれど、自分の当日歌う歌をずら~っと並べていくうちに、これは「30代のベスト盤みたいなセットリストだなぁ」と思い、それならBEST盤を作っても面白いなと思った。
それが数日前のことで、この日は試しにプレイリストを作ってみた。

考えてみれば自主レーベルを始めて10年目だし、それはイコール僕の30代の10年間だったから、残像カフェBEST(「センチメンタル」2007年)の続編みたいな感じで、30代BESTを作るのはいい考えだなと。そこに5月のあがた森魚ワンマンのフロントアクト&サポートも決まって、初めて観てくれるお客さんにもたくさん出会えそうだなと。初めて見てくれた人が“入門篇”的な感じで買える音源がないなあという思いが最近ずっとあったので、そういう意味でもベスト盤は良いなと思った。幸か不幸かこの10年の楽曲はほとんどが著作権登録をしていないので、手続きなしですぐ発売できる。

<1次案>
-disc1-
1.小梅ちゃん(2005/2018)
2.Noah(未発表mix)
3.下北沢
4.rain rain rain
5.拝啓、君は元気ですか?
6.雨の中、女の子
7.沖のヨット、2つの飛行機雲※
8.アイスキャンディー
9.君と僕と心配のブルース※
10.とおりすぎた街
11.日曜日月曜日(SOLO Ver)
12.リフレイン(新録?ライブver?) ※
13.まち
14.インマイライフ
15.花咲く路地(2010/2018)

-bonus disc-??

1.ロックンロール(新録?) ※
2.2013年5月の現状※
ほか?

※印...のちに未収録

自分的には大事な歌ばかりだからあれもこれも入れたいという気持ちになってしまうが、聴きやすいほうがいいかなー。山盛りにしすぎないことが大事だなあ。


4/6(金)
「ひとりごと(新録?)」「チェルシーを案に追加。曲数増えすぎなので何を減らすか検討中。


4/7(土)
「アイスキャンディー」「チェルシーのWAVデータ見つからないので足立君に盤からインポートしてもらい送ってもらう。

「梅雨入りのニュース」という歌のことを忘れていた。テンポやリズムが「チェルシー」とかぶるので迷ったが、妻に相談すると入れるべきと即答され、曲順もピンポイントでいい場所を言ってくれて、それで並べると馴染んだので入れることにした。

30代BESTだが20代に作った歌も何曲かある(発売が30代ならよしとした)。 「梅雨入り~」は当時は何気なく作ったが、今は歌詞もメロディーも、もうこんな歌は作れないなあと思う。アレンジや歌や演奏は粗いけれどそれすら再現不可能で、そういう意味でも当時気づかなかった魅力があったりする。今回のことでそんなことに気づくことが出来てよかった。自惚れやノスタルジーではなく、今後の曲作りのヒントになると思った。

検討を重ね入れる曲/落とす曲を決定。

<決定曲順>

1.小梅ちゃん(2005/2018)★
2.Noah(未発表mix)→☆のちに最新mixに変更
3.下北沢
4.拝啓、君は元気ですか?
5.梅雨入りのニュース
6.雨の中、女の子
7.まち
8.チェルシー
9.アイスキャンディー
10.rain rain rain
11.花咲く路地(2010/2018)★
12.とおりすぎた街
13.インマイライフ
14.日曜日月曜日(SOLO Ver)
15.ひとりごと→新録はやめて既発Ver

★...追加録音あり
☆...新ミックス制作
その他、全曲リマスタリング


4/8(日)
「花咲く路地」
発売済みの弾き語りVerに、ピアノとベースを入れる。(ベースは後日却下)

「小梅ちゃん」
もともとのデモが2種類あり(ベーシックは同一でうわものが違う)、どちらを収録するか検討。のちにバンド花と路地Verの元となったストリング入りのバージョンに、改めてストリングを重ねてみたが、バイオリンだけ録ったところで違う気がしてこのVer自体を却下。

ドラム・ベース・アコギ2本のみのシンプルなアレンジ、はっぴいえんど『風街ろまん』みたいなコンプの効いた音像が気に入ったのでこちらを使うことにし、そのシンプルさをなくさないように、オルガンとエレピを入れてみる。エレピがなじまない気がしたのでアコピも録る。


◆新譜の先行盤と同時発売??
4/9(月)
通して聴いてみる。合計時間は確かに長いが流れ自体は悪くない。1つのアルバムのようにも聴けるし、部分部分でも楽しめる。リマスタする際のメモをピックアップ。

実はこの時点で、まだ新譜の先行盤をベスト盤と同時発売するという案が生きていた。ベスト盤のこの後の作業を100倍くらい安易に考えていたので悠長に迷い中だったが、実際そんな余裕はなかった。結局同時発売はやめてベスト盤に絞ったものの、作業は当日までかかってしまうこととなった....


◆タイトルを決める
4/9(月)
タイトルについて。
数日前から候補にあがっていた
『メランコリー』というタイトルが一番はまっているように思う。30代は音楽のこと、仕事のこと、住む町のこと、将来のこと、あれこれ悩み、模索し続けた10年間だった。それが歌にも表れているし、相応しいと思う。

けれど問題があり、
・新曲に「メランコリー」という曲があるということ。
・そしてその曲は今回収録されないということ。

吉田拓郎に『元気です』(1972年)というアルバムがあって、その時点で存在しなかった「元気です」という曲が1980年に発表されている。また、僕の周りでも友人のシライリゾートオーケストラが『未来です』というアルバムを作ったが、それが発売になるタイミングで同じタイトルの新曲がライブで披露され、それが収録されてなくて、名曲なのも災いしややこしいことになっていた(笑)。

だからまあよくあることではあるのだが、いざ自分のことになるとちょっと迷ってしまった。ひとまず曲名のほうの「メランコリー」はあとで変えてもいいし、BEST盤についてはそれ以上のものが浮かばないので決定とする。(後ほどサブタイトルをつけて、「メランコリー OOMORI GENKI 2009-2018BEST」となる)

www.youtube.com拓郎氏の「元気です」(アルバム(72)ではなく曲のほう(80))は、黄金期メインのリスナーには馴染みがないかもしれないが、宮崎美子主演の「元気です!」というTBS系ドラマの主題歌だったそうで、リアルタイム世代には御馴染みかもしれません(僕は後追い世代なのでアルバムで知りましたが)

余談だが20代ベストが「センチメンタル」、30代が「メランコリー」。ときたら、40代はなんだろう。これからの10年を表す言葉はさしずめ「ライフ」か「ファミリー」あたりだろうなぁ(感情を表す単語ではないけれども)。さてどうなるやら。10年後のお楽しみですね。まずベスト盤作れるくらい曲作らないといけないです、、、


◆追加録音作業つぎつぎと
4/10(火)
朝。
「花咲く路地」ピアニカと、却下したベースの代わりにチューバ(ともに鍵盤で)を入れる。
「小梅ちゃん」スチール風エレキを入れたかったが時間切れ→いらないかも。



4/11(水)
夜。
「花咲く路地」コーラス、バンジョー録音

「梅雨入りのニュース」ミックス済のアコギがしょぼい気がして試しに重ねるも微妙で保留。

ちなみに先週発掘したテイクはデモのほうで、2009年に発売したバージョンをこの日発見。(デモを調整して2009年に発売したので録音テイク的には同じものなのだが、全体の音質調整と、尺の編集を何箇所かしてあった)

■BEST盤「メランコリー」ダイジェスト試聴(曲順は実際と違います)
soundcloud.com
■商品紹介ページ(購入もここから)クレカ・コンビニ払い可
ourlifemusic.thebase.in
後編に続きます