大森元気/残像のブーケの制作日誌

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逆転の発想でバンド感を出す (2019.08.11-8.17)

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振り返り日誌、つづきです。お盆休みの頃。

2019.8.11(日)
数年ぶりに“青春18切符”で旅。車中にてもろもろチェック。

●前日足立君から届いた「ぼくの愛する暮らし」ミックスを確認。少し方向性を変えたくて2日前に要望を出していた。(記憶ではアコギ3本を中心→エレキ2本を中心に変更だったはず)

聴いてみたが変更は却下で、元の方向性に戻したい旨を伝える。

●前日スタジオで録った「恋は終わってしまった」「ブランケットブルース」(ラフミックス)も確認。上モノが仮なのでまだ何ともいえないが良い感じ。

●旅の記録はブログに書いたので割愛。今回はライブではなかったが昔よく18切符でソロツアーをしていた頃のことなど懐かしく思い出した。久しぶりの友人や街に再会し発見や感動があり実り多いものとなった。ブログ該当ページ: 1 2 / 3 / 4


2019.8.15(木)
●旅からの帰路、再度「ぼくの愛する暮らし」を聴きながら、方向性を戻すのではなく、別の解釈を考えるべきかもと思い始める。

数日前に個人練で弾き語りで歌ってみて、忘れかけてた“本質”に気づけた気がしたことは先述済みだが、それは結構はっきり感じた。でもそれはたくさんの楽器を重ねていくうちに霞んでしまったものだ。

というわけで、その“本質”に立ち返るためにどうすればよいか? 考えた末
「プレイヤー全員が最初から最後まで演奏している」
というスタンスを一旦やめて、
「ずっといる人は数人に絞り、それ以外は必要な箇所だけ出てくる」
という方法に転換する。

これは、ミックスでは至極当たり前のことで何も特別なことではないのだが、バンドっぽい楽曲の場合どうしても頭から終わりまでずっといて欲しくなってしまう(もちろん休符や休む部分はあるにせよ)。目を閉じるとメンバーがそれぞれの立ち位置に立っていて演奏する姿が浮かぶような。

そのほうが好きだし、バンド感を出すには最良の方法だと思い込んでいたが、ここは逆転の発想をすることで解決の糸口が見えそうに思えた。楽器が少なければ悩むことはなかったが、今回は多いのでそのほうが逆にまとまりが出ると判断。

「メランコリー」ストリングス
8月初旬に悩んでいたある箇所のフレーズについて、数パターン作った中から最新のバージョンで8/9に足立君に送信済だが、旅のあいだに気持ちが変わり当初のフレーズに戻して再度送る。


2019.8.16(金)
●「メランコリー」ストリングス
別にさらにもう1箇所、同様に直していた部分を元に戻す(後日送信)。

●「ぼくの愛する暮らし」
アダチ宅にて立会いミックス。前述の逆転の発想で方向転換することは前もって足立君に伝えておいた。それをもとに2人で上モノを組み立てていく。当たり前だけど立会いのほうがメールでのやり取りするよりもスムーズにいくなあ。

ひとまず形になったがこれで完成とせずに、一旦持ち帰ってじっくり聴いてみることにした。 


2019.8.17(土)
<自宅>
「メランコリー」
ストリングス、グロッケン、メロトロン...修正した後足立くんに送信。

「恋は終わってしまった」
エレキギターを歪みの深いものに変えて録り直してみる。

昨日足立くんが何気なく言った「銀杏BOYZみたい」という言葉にヒントを得て。僕は完全に拓郎だと思っていたからここまで歪んだエレキを入れるアイデアは浮かばなかったけれど、成る程と思い入れてみたらバッチリだった。

こういう発見は完全に1人でやっていると──もしくはメールのやり取りだけだとなかなか起きないミラクルだ。

少し若いか?とか、聴いていて疲れないか?とか思いそうになったけど、それは要らぬ心配な気がする。

<リハスタ>
翌日のボーカル録りのため練習。今日はギターを弾かずに。

楽器を持たずに歌の練習をするのはほとんどなかったので新鮮だし(当たり前だけど)より歌に向き合える。ライブのための練習にはならないが、これはこれで大事だと思った。