大森元気/残像のブーケの制作日誌

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TAMA映画祭と先走りサンプル盤(2019.11.25-12.1)

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TAMA映画祭イベント出演と暫定サンプル盤
2019年5月に公開され、2020年に入ってもなお全国をずっと回り続けている映画『嵐電』。(緊急事態宣言の解除がいつになるか不透明ではあるがまだまだ今後の上映も決まっている)

11月には“TAMA映画祭” にて最優秀作品賞・最優秀主演男優賞の受賞(同月受賞式)を経て、12/1には井浦新特集イベントが行われることになった。あがた森魚氏による主題歌にコーラスで参加させてもらった僕もイベントに参加することになった。

ミュージシャンの間では新譜が出来るとそのサンプル盤やチラシを持ち歩き、人のライブなどミュージシャン仲間や関係者に会う機会があれば渡して聴いてもらうというのが日常的な風景だ。

今回のイベントには鈴木監督や井浦新さんはじめ普段お会いできない映画関係の人達に会えるし、不定期には呼んでもらえているがあがたさんにも勿論いち早く聴いて頂けたらという思いだ。

だが残念なことに今の僕にはサンプルがない。前年出した自主レーベル期のベスト盤や、もっと過去の“売れた”商品でも悪くはないが、気持ち的には今録っているものを早く聴いてもらいたいという思いが強かった。

そこで、まだ制作途中という断りをしたうえで、今作っているアルバムの暫定サンプル盤を作ることにした。

著名人だからと先に聞いてもらうのは不公平だと、待って下さっているリスナーの方々にはそんなふうにお思いの方がいらっしゃるかも知れませんが...そうそう会える方々ではないので、そんな無謀な作戦を取ることにしました。お許しください...


◆暫定サンプル盤は6曲入りに決定
2019.11.25 (月)
「恋は終わってしまった」
の編集した各トラックを送ったあと(11/24)、オルガンのみ再度修正して送信。

このタイミングで「暫定サンプル盤」を作りたい旨アダチ君に伝える(この時点ではスケジュール的に可能ならという段階で曲数も決まっていない)、そして多数の曲の中からミックスの優先順位を伝える。


11.27 (水)
・同曲、アコギを送信していなかったことが判明。仮テイクのままチェックすらしていなかった。アダチスタジオで録ったと僕が思い込んでいたため。

朝 暫定ver、夜 修正verを送る。

・同曲、アダチ君からスネアの音色についての相談



11.29 (金)
●前夜のうちにアダチ君より「恋は終わってしまった」「メランコリー」のミックス届く。

●アダチ君よりミックスだけでなく簡易マスタリングの申し出あり。サンプル盤に関しては自分でやろうと思っていたので大いに助かる。

●サンプル盤 収録曲決定。
曲数が多すぎないほうが軽い気持ちで聴いてもらえるのでは?という意図もあり6曲にしぼる。そもそも思い立ってから配布日までが短かったのでこれで作業量的にもギリ。

「boys & girls」「サクラサクのラフミックス作成→送信。この2曲はまだ詰めきれていないため、アダチ君のミックスでなく僕がしたラフミックスをマスタリングしてもらうことにした。


11.30 (土)
◆サンプル用音源届く
サクラサクのアコギ編集に失敗があったので修正しアダチ君に送信。

●昼すぎ アダチ君より6曲のサンプル用マスタリング済みトラック届く。

●曲目・曲順は以下

 1.ぼくの愛する暮らし(仮mix)
 2.旅するように歌うのだ(仮mix)
 3.恋は終わってしまった(仮mix)
 4.メランコリー(仮mix)
 5.boys & girls(録音中・ラフmix)
 6.サクラサク(録音中・ラフmix)

(「旅するように〜」は曲調的には最後にしたかったが、サンプルのため全曲聴いてもらえないことも想定してあえて2曲目にした。)



◆紙資料とジャケット撮影

同日。
●紙資料作成
作品紹介、プロフィール、プロモーション文などをオモテに、歌詞をウラに。

プロモーション文は自分で考えるのは本当に苦手だ。自画自賛しなきゃいけないし、同時に(自分で書いた感を出す場合は別として)客観的にもならないといけないし。

●外出していた妻・娘が帰宅し、そのままジャケ撮影~デザインを手伝ってくれた。

今日そこまで進められると思っていなくて、ジャケは簡易的で簡素なものを予定していたから、思いがけず形になって感謝。


◆プロジェクト名について深める 
同日。
●紙資料の文章についても相談。最初に書いた何倍もの時間をかけ二人で推敲していった。分かりにくい部分や雰囲気で書いていた部分が多かったのでそれらを直していく作業。

●プロジェクト名(=1人ユニット名)は1年以上考えていて、これまでに膨大な数の候補があったが、この数か月はほぼ1つに絞れていた(まだ内緒です)。この日 実際にサンプル盤・ジャケ・紙資料を作ったことで最終決定となった。

そればかりでなく、名前の由来やイメージについても「何となく」だったものを、きちんと文字化・映像化し、辻褄合わせをしていくことで詰めていくことができた。そこであらためて発見したことや、定まっていったこともあったし、ビジュアルでバン!と見えたことによって、よりイメージが明確になり、さらに膨らんだ。

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出来上がった暫定サンプル盤。タイトルとプロジェクト名はまだ解禁前なのでぼかしておきます。


12.1 (日)
●サンプル盤を焼いたり印刷したり。
●昼よりTAMA映画祭へ。

僕が外出したあと自宅でサンプル盤を聴いた妻より感想届き意見をもらえた。

TAMA音楽祭イベント、レポ&思ったことなどブログに書きました。
【該当記事】

zanzowdays.hatenablog.jp

というわけで、レコーディングが長引いている中サンプル盤を作り聴いてもらうところまでこぎつけた。

サンプル盤を作るタイミングは、レコーディングの進捗から言うともちろん尚早だし、無謀な試みだったのは言うまでもない。また、作るにしても「なんとなく」のもので済ませる選択肢もあった。

けれど、こうやって詰めていけたことで、これからスタートさせるプロジェクトや、その初音源となるアルバムのイメージやコンセプトがぐっと詰められたので本当によかったと思う。