大森元気/残像のブーケの制作日誌

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Dr.Kテレのブリッジ交換~ベンダー奮闘記(2020.11.14-11.20)

【検索で訪問くださった方へ】最初にお断りしておきますが、ベンダーを3WAYブリッジに取り付けるという点では今回の記事はあまり参考になりません。ご了承ください。

◆ベンダー付きテレキャスターのブリッジ

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Dr.Kこと徳武弘文氏モデルのテレキャスター(写真の赤いギター)。20年以上使い続け、メンテナンスも怠ってきたためあちこちボロボロな状態。常々どうにかしたいなと思っていた。

この2020年の夏以来(自分の制作と並行して残像カフェの再結成があったりした)、黒いテレキャスターがメインになっていた。そちらのカスタムアップを優先していたのでこちらDr.Kは後回しにしていた。が、こちらもブリッジくらいは交換してみるのもいいなと思い立ったのがこの時期だった。


後述するが、Bベンダー搭載のギターなのでどのブリッジでもいいというわけではなく、合うものを探さないといけない。デフォルトのものを再度つければよいと思うかもしれないが、すでに生産終了となっているそう。それで徳武さん本人もベンダー使用可能なブリッジをあれこれ試しているみたいだ。

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「前略 テレキャスター様」(えい出版社 2003年)より

手首下に見えるのがデフォルトのウィルキンソン製6way(※)サドル。


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「ギターマガジン」2016年1月号より

上の掲載から約15年後のギターマガジン誌を見ると、デフォルトと違うサドル・ブリッジを装着したDr.Kテレの姿が!ピックアップまで変わっているのでだいぶ印象が違う。

徳武氏の発言によると、「やはり3wayのほうがテレキャスターらしい音がする」としながらも、自身のモデルに使っているのは6wayサドルだ。やはりチューニングの面から適しているのだろう。


※3wayと6way
以前も書いたがテレキャスターのサドルには伝統的な3wayタイプとその後開発された6wayとがある。
●3way(冒頭の赤テレ写真)

 ...3つのサドルで6本の弦をまかなっている。つまり1つのサドルに弦を2本乗せる。
●6way(1つ上の雑誌写真)
 ..1つのサドルに弦1本ずつ。つまり.6つのサドルが独立。
3wayではオクターブチューニングが合わせにくい難点がある一方で、音やデザイン的には人気も高く、「これでないとテレキャスターらしい音が出ない」という愛好者も多い。



そんなわけでどうせデフォルトが入手できないのなら、いっそのこと3wayタイプに変えてみようかと。


◆BEFORE/AFTER
11.14 (土) 
8時間リハ(前記事)から帰宅すると注文したブリッジ・サドルが届いていた。早速交換作業を始める。
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こちらが交換前。長年の使用とメンテ怠けのため、ブリッジプレートのメッキが剥がれ、サドルが完全に錆びてしまっている。

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交換前 別角度。サドルのイモネジ(高さを調整するためのもの)が多数紛失。そのためなんと紙を折ったものを挟んで高さを調整している。

f:id:kitakamadays:20210527125734j:plainさて、ブリッジ・サドルのセットが届いたので早速装着。前の写真との差がすごい。ピカピカすぎて見違えた!


◆Bベンダーは使えるのか?
Dr.Kモデルはピックアップが3つ(通常のテレは2つ)なのでサイズやネジ穴位置など心配していたのだが問題なく取り付けできた。ひと安心。

しかし1つ問題が。ベンダー(※)対応のブリッジではないため、2弦の角度がきつすぎてやばそう。。


※ベンダー...
ギターに特殊な機構を増設することで、ペダルスチールのように音をベンド(音程を上げ下げ)を可能にする装置。弦の音名を頭につけてBベンダー(
2弦)、Dベンダー(4弦)などと呼んだりする。動かす仕組みによりストラップ連動型、ヒップショット型、レバータイプ(アーム状のもの)等、何種類かのパターンがある。中には複数組み合わせて装備する人も。



ベンダーを使用するためには、該当の弦だけボディ裏に通さずに、ブリッジの先(奏者から見て右方向)に貫通させる必要がある。そのため弦を通すための穴が開いているブリッジを選んで購入したのだが、角度がこんなにきつくなることを想定できていなかった。

使用に支障...というか切れちゃうか心配で安心して弾けない。


こちらのサイトさん(「ときたやすしのJunkGuitar再生工場」- hipshot大研究 )で紹介されているようなビニールのチューブを噛ませばいいのかな。f:id:kitakamadays:20210611154122j:plain
画像引用元:「ときたやすしのJunkGuitar再生工場」様

写真手前と奥に半透明のチューブが見えます。

あと針金みたいな、腕状のものがあるけどこれはベンダー単体で購入するときには付いているが、もともとベンダー機構が搭載されているDr.Kテレには付いていない。これがあるのとないのでどう変わるのかちょっと分からないです、すみません。


◆ブリッジに溝を入れる 
後日。(日誌ブログの趣旨と外れますが12月に飛びます)

同じサイトさんに載っていた写真で縦に溝の入ったブリッジを確認できる(下スクショ参照)自分で加工してこれを作ってみようと思い立った。

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画像スクショ元:「ときたやすしのJunkGuitar再生工場」様

100均で購入した金属用ヤスリ(棒状のやつ)で地道に削り、完成!

f:id:kitakamadays:20210611163453j:plain穴を通さずに、溝から弦を渡せるようにセット。これで2弦がきつい角度になるのを防げます。


..........しかし!
写真みてお気付きの方もいるでしょう。弦高やオクターブ調整をそのあとでしてみたら。ブリッジよりも弦のほうが上にある(!)。

これ、削る必要なかったパターンですか。あはは意味なかった!(笑)

f:id:kitakamadays:20210611163431j:plain横から見ると溝の有無にかかわらず、弦はブリッジに触れていません。とんだムダ骨でした。。


◆さらに問題が ~ 一旦保留に
さらに問題が。角度が浅くなりテンションが格段に下がったせいで(多分)、弦のビビリが発生。やはりこの普通のブリッジにベンダーは無理あるのかなあ。弦高をもっと高くすれば解決するかもしれないが弾きにくくなりそうだし試していない。

取り急ぎ、ベンダーを使わないことにして他の弦と同じようにボディ裏に通せば通常の使用は可能。そもそも最近はベンダーを多用するプレイはあんまりしていなくて、逆に「ベンダー使わずにベンダーっぽい奏法をやる」っていうことにちょっとやり甲斐を感じてきていたところだった。というわけで一旦ベンダーは封印しようかなと。

f:id:kitakamadays:20210623090644j:plainこんな感じで、ベンダー付いてるけど使わない仕様に。宝の持ち腐れだけど...。


そんなこんなでブリッジ交換の顛末でした。
結局ベンダーについての結論が出ないままこの記事は終わります。ここまで読んでくださった方(特に参考にしたいと思って読んでくださった方)、なんとも中途半端なレポで本当すみません!

なお、黒いほうのテレキャスター(1PUタイプ)にはこの後PU増設をします。その記事もそのうちアップ予定です。


◆コーラス再録
11/15 (日)
時を戻しまして、REC日誌に戻ります。

「恋は終わってしまった」コーラス(自分担当)を再録。一度OK出していたが先日確認したらあまりいいテイクではなかったため。

同じ旋律でよいと思っていたがいざ録ってみるとアイデアが浮かんでしまい、パート数が増えた。

コーラスは、コーラスだけで聴くとかっこいいものでも、曲の中に入るとトゥーマッチになるし、ミックスもアレンジも大変になる(他曲で学んだ)。なのでなるべくそうならないよう注意しながら録音していった。

そして録音した後に編集でさらに簡略化する。5声×各ダブル録ったが、前半は3声に、後半も頑張って4声に収めた。


11.16 (月)
アダチ君に「ブランケット〜」「リフレイン」MIXリクエスト送る。録り直した「恋は〜」のコーラスは録り直したので後日送ると伝える。


11/17 (火)
翌日ライブの準備と自宅練習。


11/18 (水)
あがた森魚ライブ出演。新しいプレイスタイル、新しい音色。家でRECするのとリハスタでは違ったし、リハスタとライブではまたさらに違った。失敗とかはなかったが、いつも通りの部分と開拓できた部分とがあった。この日はバンド編成。素晴らしいミュージシャンばかり。あがたさん自身も魅力全開で素晴らしい一夜となった。


11/20 (金)
「恋は終わって〜」先日再録したコーラス編集。前述のとおりパートが増えてしまうのは気が進まないのでなるべく簡略化し、パートも絞る。→アダチ君に送信。

 

 

【追記】
こちらの動画を発見。徳武氏ずっと6wayサドルでしたがこれは3wayを付けてますね。いつの動画なのでしょう(公開日は2020年になってます)ヒップショットタイプのベンダー普通に装着してますね。


www.youtube.com