どこで完成とするか?あの時完成だったと思うのか?~映画「パンとバスと2度目のハツコイ」に共感(2021.2.22~3.7)
画像引用元:映画『パンとバスと2度目のハツコイ』公式サイトより
映画の画像を貼った理由は記事後半にて。今回のRECにも通ずること多々。
ひきつづき1年前の遡りです。前記事でようやく全曲の録音と膨大な編集作業が完了したところ。しかし...データでやり取りしているミックスのチェック&バックがエンドレス状態に...そしてまた直したくなってきて....という日々です。
2021.2.22 (月)
アダチ君よりMIX更新版届く。「ぼくの愛する暮らし(Ab mix)」「boys&girls(Ab mix)」「残像のブーケ」
2.24 (水)
アダチ君にリクエスト送る(「ぼくの」「boys」)。「ブーケ」はいい感じなので時間を置いてから再度聴くことにする。
2.28 (日)?
動画シリーズ「猫になりたい」(スピッツ)、「渋谷ゆき」(セルフカバー)撮影、「強がる蕾」(乃木坂46)は歌ってみて次回持ち越し。「猫になりたい」公開
3.3 (水)
アダチ君よりMIX更新版届く。(「ぼくの」「boys」)
3.4 (木)
動画「渋谷ゆき」(セルフカバー)公開
3.5 (金)
アダチ君にリクエスト送る(「ぼくの」「boys」「ブーケ」)
同日深夜 アダチ君よりMIX更新版届く。
3.7 (日)
・カバー動画「強がる蕾」「深呼吸」「制服」「抱きしめたい」撮影。「強がる蕾」(乃木坂46)公開。
映画「パンとバスと2度目のハツコイ」のこと
今回歌ったカバー「強がる蕾」は、乃木坂在籍時の深川麻衣さんのソロ曲。深川さん繋がりで、ずっと観たいと思っていた映画『パンとバスと2度目のハツコイ』を観た。
監督は「愛がなんだ」「街の上で」等の今泉力哉氏。深川さんが乃木坂を卒業し俳優として新たにスタートを切った、初主演映画にして、TAMA映画祭で最優秀新進女優賞(深川麻衣・伊藤沙莉)、最優秀新進監督賞(今泉力哉)を獲得した作品だ。
◆あのとき完成だった、と後から気づく
恋愛映画ではあるが哲学的な面もあり。主人公の独特の恋愛観もそうだが、たとえば絵を描くときの話。
ー以下、映画の核心には触れてませんが多少ネタバレありー
絵を描く時、いつまで描けば(いつやめれば)完成なのかという話。油絵には終わりがない。最初から「ここが終わり」って決まっているわけではない。けれどある瞬間に「ああ終わりだ」と分かる。
でもたまに「あのとき終わりだった」と後から気づくことがあって、そういうときはそれ以上はもうよくならないのにダラダラ描き続けることがある。主人公ふみはそう語る。
これはとても共感できるものだった。まるで今回のレコーディングのことみたいじゃないか!
ちなみにその話には続きがあって、「そういうときは驚くほど雑なところでやめれば良い」とも言っていた。「なぜなら自分が最高と思える瞬間はもう過ぎ去っているから」。
僕の場合、雑なところでやめる勇気がないなあ。どうにか落としどころを探り続けてしまうだろう。
というよりも「あそこで完成だった」と思えるところまでまだ行っていないのか。3年以上も作っていて。
◆「楽しかったから描いていた」と「楽しいと思えたことがないのに続けている」
絵を描くのが楽しかったけど今はつまらなくなって辞めてしまったふみ。それに対して楽しいと思えたことがないのに描き続けている妹。「それが一番強い」と声をかけるふみ。
この対比も考えさせられた。絵に限らず音楽でもそうだなあ。食えてないのに音楽をやっている自分とか。まあ僕の場合は楽しいからやっているんだけど。楽しくなくなったら辞めるのかなあとか。今と昔の音楽との向き合い方とか。いろいろ考えるなあ。
そしてこれは主人公の独特な恋愛観ともメタファー的にシンクロしているのだろうか?(まあいいや。、ネタバレになるのでこれ以上は語らないでおきます)
◆何度も繰り返し観ることになりそうな映画です
恋愛観に共感できるかは別として、言葉の選び方や、間のとり方、映像の撮り方、あまり重要でないようで意味のあるシーンのセレクトとか。要するにツボがこれでもかと自分の好みだった。
もちろん深川さんを応援しているということもあるが、それを抜きにしても自分の好きな映画のベスト3に入る作品だなあと思えた。
万人受けはせず、酷評する口コミも見受けられるけれど。特にドラマチックで分かりやすい映画が好きな人には全くおすすめできないが、それでも僕はこの先何度も繰り返し観ることになるだろうな。自分にとってそんな作品だと思った。
追伸
いろんな事情とかあるんだろうけど、(使われてる曲をdisるつもりも毛頭ないけど)エンディングテーマはやはりギルバート・オサリバンだったらもっと最高だったと思う!
公式予告編 90秒版
ちなみに僕のカバー動画はこちら(乃木坂46「強がる蕾」カバー
https://youtu.be/YIbGY9OCek4
続・どれだけやり直すか(多分サカナクション山口氏の話だったと思う)
◆無限ループだけどダラダラとは違う
とりあえず自分はダラダラ作り続けているという段階ではない。「まだ違う、これでも違う」その繰り返しだ。人をまきこんでそれが無限に近い繰り返しをしていることが良いかどうかは別として、それはダラダラとは違う。
ただ、ちゃんと作りこんでから録り始めればよかったという人はいるだろうな。それはそうなのだ。でも毎回これでどうだ!と思ってアダチ君にデータを送るのだ(ごめんなさい!)
◆全力を尽くせば、悔いではなくシミみたいなものになる(サカナクション山口氏)
あるいは、覚悟をもって完成と決めたらそこが完成になる。どんな名作でもどれだけ時間をかけても悔いは残るものだと色んな人が言っている。(これまでの自分もそうだった)。
それはサカナクションの山口氏だったと思うけど言っていた(星野源氏だったかなあ、間違ってたらごめんなさい)。
どれだけこだわって作ったって「ああすればよかった」という部分は必ず出てしまうもの。けれど全力を尽くせたのなら、それは悔いというよりも洋服についたシミみたいなものになる。綺麗じゃないんだけど、でも愛せるというか。そういう話。それも同感だ。
いま僕はそこに行くためのマラソンを走っているんだとはっきり思える。3年以上かかっているとしても、人を巻き込んでしまっていても。別の方法もあったのかも知れないし、ひょっとしたらお金で解決できたこともあったかもしれない。けれど今もうこのマラソンの終盤。ゴールまでもがきながら進むしかないのだ。
次回記事にていよいよミックスが完了します(後日更新)