大森元気の制作日誌

2018年以降の大森元気制作日誌です

ソロアルバムからバンドアルバムへ〜誕生祭で見えたいくつかのこと(2018.3〜4月)

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◆転機となった感謝祭
まったく日誌が追いついなくてすみません...。リアルタイムでは夏に集中してレコーディングを行い、それが一区切りしたところ。いろんなミュージシャン仲間を呼んで楽しい毎日でした。

年始にレコーディングを始めたとき、長引く予感はあったけれど、こんなふうにたくさんの人を巻き込んで制作していくことになったのはあんまり想像していなかった。もちろん嬉しい誤算。その転機となったのが4月の大感謝祭でした。

40歳のバースデイ祭ということで、僕はあちこちに参加させてもらったり、自分の歌もいろんな形で歌ったりしたのですが、その中でも新曲を中心に演奏した第二部の大森元気バンドが自分のなかでちょっと想像を超えた部分があって、いろんなことが見えた気がしたのでした。


◆大編成大森元気バンド
第一部では岡田梨沙ドラムによる4ピースで歌い、それに対して第二部のスガタバンドは意識的に人数を増やした編成に。
 ・Noriyuki Sugata(ds)
 ・熊谷東吾(b)
 ・みんみん(key/cho)
 ・ナカジこと中嶋佑樹(Pf/EG/cho)
 ・うちだあやこ(Cho)
 ・そして僕大森元気(Vo/AG/EG)
の6人編成を基本に、ゲストとして
 ・岡田梨沙(shaker/cho)
 ・山本草助(Violin)
が参加。セッション的に重なり合う楽器類と、3声のコーラスワークは演奏しながら涙が出そうだった。


正直言うと、リハも1回だけだったし当日のサウンドチェックもなかったので、限りなくぶっつけに近かった。にも関わらず本当素晴らしくて、いっぱいいっぱいの僕をみんなが支えてくれる、そんなピースフルなロックンロールがそこにあった。この愛すべきメンバー達の音の渦のなか、豊かな音像で響きあった新曲たち。これを作品に残したい!残しておかなければ!と強く思ったのでした。


◆バンドでレコーディングしよう!
この時点でバンドで録っていたのは2曲のみ(「旅するように歌うのだ」と「メランコリー」)。これに1人で出来るアコースティック曲をいくつか入れて形にしようかな?と、そんな感じでいました。

ただ「ぼくの愛する暮らし」をバンドバージョンにしようかずっと迷っていて、ドラムを追加で録ろうかと悩んでいるところでした。(踏み切れないでいた理由は春完成目標という時間的なことと、予算的なことと両方)

youtu.be

けれどそんなわけで感謝祭のライブが素晴らしかったので、「ぼくの〜」をバンドで録る決心がつき、どうせならもう2〜3曲増やし、自分で出来るパートも頼んで、バンド中心のアルバムにしたいという気持ちが強まったのでした。

というわけで、大きく方向転換。完成めどはさらに延びることに。もう春には間に合わないのだからそれもよし、納得いくものを作ろうと。

 


さて簡単に振り返ります。
3/26(月)
「冬のカーブ」先行盤のみに収録する案。

当初<先行盤>という案があった。感謝祭の物販用に2~3曲入りでメイン曲は「旅するように歌うのだ」。録音が間に合わない楽器やコーラスもあるが逆手にとって先行盤とアルバムとでバージョン違いでも逆に面白いのでは?と。


「冬のカーブ」についてはアルバムに入らなそうなので(季節感の問題)収録は先行盤のみにしようと。

※後日:結局、先行盤を作る案自体がなくなった。


3/29(木)
宮下君のペダルスチールをフィーチャーしたサクラサク。桜が例年にない早さで咲いてしまったので慌てて仮歌バージョンを期間限定公開。こちらも先行盤に入れるか検討。

soundcloud.com

4/1(日)~4(水)
「メランコリー」「ぼくの愛する暮らし」
4/21誕生祭のためのコーラスアレンジ。上で書いたとおり3〜4声の豪華版だ。

「ぼくの愛する暮らし」スガタさんとドラムパターンについてメールで打ち合わせ。

Youtube公開済のデモはベースがレゲエ調。(以前書いたがこれは風時代の伊勢正三による「地平線の見える街」という曲のオマージュである。) 対してドラムはレゲエでもエイトでもないループを使用している。今回のライブに関してはこれを突き詰めるよりはシンプルにエイトで行く方向で。ただスタジオで試すのは面白そうだねということで意見一致。


4/18(水)
リハーサル。6人編成で。初合わせの「僕の愛する暮らし」ほか、全曲、コーラス入りの豪華アレンジ。自分の曲なのにバンドアンサンブルとハーモニーに感動。「旅する~」は当日さらにバイオリンも入る。


4/21(木)
大感謝祭。冒頭参照。

 

◆自分の強みとは?
スガタバンドのことばかり書いてしまったけれど、4ピースのほうもとても手ごたえのあるものだった。Ds梨っちゃんとの付き合いも長いのでツーカーな部分が大いにあり、4人のグルーヴやアンサンブルもこなれてきた。音で会話をするってよく言うけど、そういう“バンド感”的なこと。リハーサルもサウンドチェックもなしにぱっと出来てしまうところまで来ている。

この4ピースの演奏を通して、かつて(主に残像カフェ時代に)評価してもらえていた“強み”を再確認できた気がする。「センチメンタル」と同居する「ひりひり感」。そんなふうに誰かが言ってくれたけれど、それは自分の持ち味であり、強みだった。

もちろんあの頃を懐かしむつもりはなくて、不要な重荷はどんどん捨てていこうと思うけれど、前向きに進む中でそういう強みに関しては自覚的に守っていけたらいいなと思えた。


◆人にやられて悔しいことはやり続ける
「人にやられて悔しいことはやっていくべき」というのはここ何年か僕がキーワードにしていること。

世代も交代する、自分はもう表舞台にはいない、そんな中で自分が得意だったことや頑張ってきたことと似たようなことをやる人が出てくる。自分のほうが先にやっていたとしても、うまくできたとしても、そんなのは独り言で終わるし、ただのひがみになっていく。だからやられて悔しいことは続けてやっていかなきゃと思うのです。

それは4ピースのひりひり感しかり、スガタバンドのピースフルなセッションしかり。“新しいものを開拓し続けていくこと”と、“得意なことを封印すること”は、同義ではない。新曲を作り続け、新しいサウンドを探し続けながら、自分の得意なことをやり続けるってことはできると思う。むしろそれを新しい形で更新し続けるということこそが一番大事な気がするなあ。

そんなふうに気づかされた大感謝祭でした。