くるりの未発表曲集とセルフライナーノーツあれこれ (2020.4.19-4.21)
◆くるりの未発表曲集『thaw』を聴く
画像:Quruli.net
4月の日誌つづきです。
くるりの未発表曲を集めたアルバム『thew』が発売されサブスクでも解禁になっていたので聴いてみた。僕が大ファンだったころの初期の楽曲も入っていたし、岸田氏がnoteに公開した全曲解説も興味深かった。
いろんな時期の楽曲が入っているから「あの時期にこんな曲も作っていたのか」とか「この曲がアルバムに入っていたらどんな印象だっただろう」などど思いを馳せることも楽しかった。震災翌日のライブを急遽アンプラグドに変えたという出来事も印象に残っているなあ。
『thaw』セルフライナーノーツ|くるり official|note
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open.spotify.com
◆語りすぎる自分
全曲解説の話が出たついでに。
この制作日誌ブログ含め、自分の場合、活動や作品のことを知ってもらいたいあまりネット上で語りすぎるところがあるので、”書きたい気持ち”と“自制”との葛藤をいつもしている。
(かと言って直接話したり語ったりしようとすると、とても苦手で全然上手く話せない。だから文章を書きすぎる傾向は恐らくそんな状況への反動なのかなとも思うのだけど。)
でも岸田氏の解説を読んだりして、自分がファンの立場になるとやはりこういうふうに1曲1曲書いてくれると嬉しいなあと思えた。作品を聴きたい気持ちも増すから、単なる自己顕示欲ではないし、ファンサービスだし、プロモーション効果も大だ。まあ書く人や書き方にもよるなぁ、うーんそれが一番大きいのかな。
◆好きなセルフライナーノーツ
岸田氏の解説も興味深かったし、以前もどこかで書いたけれどさだまさし氏のアルバムを買ってみるとブックレットには1曲1曲その解説が書いてある。それが単なる“制作過程の裏話”的なものにとどまらず、氏らしい幅広い知識と文学性にあふれたもので、まるで短編小説やエッセイを読んでいるようでとても好きなのだ。
ほかに近しいところで言うと、よしむらひらく君のブログとか文字量は多いのにどんどん読めるし、知性の幅広さ・鋭い洞察力で、とてもいいのだ。
彼はこの時期(3~4月)に過去作品を次々とリマスタリングしてサブスクにて連続リリースし、それが終わると新作も発表した。そのときにブログに掲載していたセルフライナーノーツもとてもよかった。(今そのリンクを貼ろうと思ったのですがリンク切れで見つかりませんでした、非公開になってしまったのか別のところで見られるのかは不明、すみません)
◆自分の前回のライナーノーツ
僕はと言えば、ある時期から自主制作盤には毎回ライナーノーツをつけるようにしたし、ネット上には前回ベスト盤のときこんな感じで書いた。
BEST盤『メランコリー』が出来るまで(後編~全曲解説編) - 大森元気の制作日誌
自分にしては短い!頑張って短くしたんだろうな。そんな感じがありありと(苦笑)でもこのくらいが読みやすくていいな。
今録っているアルバムは、この日誌ブログにREC初日から逐一全情報を書いている。だから読んでくれている人がいたとしたら、もうこれ以上付け足すことがないのだけど、これでは自分でさえ読み返すのに膨大な気力と時間を要するから、短く読みやすい形にまとめるのはいいかもしれない。多分それはするんだと思います。どんな形になるかは未定ですが。
◆セルフじゃないライナーノーツ
そういえば以前、残像カフェ時代にレコーディング/ミックスエンジニアの磯崎氏が自身のブログでレコーディングにまつわる全曲解説をやってくれたことがあった。自分以外の人が書くというのはとても新鮮で興味深かった。今回できるかは別として、そういうのも面白いだろうな。
自分で語ってしまうとどうしても主観的になるし、思い余って空回りする。コアなファンの人にはそれでもいいかも知れないが、「ちょっと興味あるかも」程度の人には拒絶反応になってしまう。本人以外の人が書けば客観性が出て、わりと興味をもって読んでもらえるのかなあなんて思う。
あとは対談とかもいいなあと思っていますが。まだ本当何も動いていません。録音とミックスで手一杯で、、。でもプロモーションまでし終えるまでが作品づくりだから、区切りがついたらいろいろ画策したいと思っています。
日誌に戻ります。
2020.4.19(日) (前記事つづき)
●というわけでこの日は朝からくるりを聴き、その気分のままREC作業へ。くるりの1stとか2ndとかあたりの雰囲気がちょっとある曲「ブランケットブルース」。
エレキギター1を全編弾き直し。
●夜も同曲つづき。フレーズもほとんどないストロークがメインのパートなので適当に勢いで録って「はい完成!」と行きたいところだが8分の12拍子ということもあり良いノリを出すのに苦労。思ったより時間かかってしまった...。
「boys & girls」
●ストリングスは先日の記事(「どっちのディスコだろう問題」)で書いたように方向性を迷っていたが、現状版を元にしつつ、新しいリズムパターンに変えたベース&現代的なシンセの音を入れたことで見えてきた方向性で練り直していくことにする。
この日は軽くチェックしつつ整える程度。フレーズの曖昧なところ、タイミング、切る長さ、強さなど。あとチェロとビオラが後半オクターブで多重に重ねてあったのでそれを整理するなど。
●音色は1パートにつき3~4種類を混ぜているが、あえて入れていたシンセ・ストリングスの音は無しにし、生っぽい音だけを混ぜることにした。
●バイオリン、ビオラ、チェロで構成していたが、セカンドバイオリン追加を検討中。
4.20(月)
移動中 昨日のチェック。「boys~」各楽器が整理されてきたためか、ストリングスに”鍵盤感”が出てきてしまった。音色の調整が必要。
ボリュームのオートメーション(※)については、以前はあえてシンセっぽくする案がありあえてオートメーションを書かないのもありか?とも思ったが、生っぽくすることにしたのでやはり必要と判断。
※オートメーション...各パラメーター(ここではボリュームの上げ下げ)をリアルタイムで変化させていくためのプログラム。
「ブランケット~」
・弾き直したEG1チェック。思っていたよりは良かった。数箇所修正したら完成しそうだ。
・EG2とEG3について、シミュレータを通す前の音をアダチ君に送る必要があるが、こちらは弾き直しはせずに現状テイクを送信予定。ただしシミュ通したあとで行なっていた編集が戻ってしまうのでその作業をしてから。
4.21(火)
「boys〜」
・ストリングスとアナログシンセの抜き差しなど。Bメロのユニゾンをやめる。
・昨日迷っていた2ndバイオリン追加はいったん保留(試しに入れたがミュート)
・同じく昨日迷っていた装飾的な短いピアノのフレーズ。不要な気もしているが所々いい箇所があるため少し整理してみる。判断はのちほど。(後日削除)
・ベース、1か所editで修正。
「ブランケット〜」
・EG1弾き直し。朝は2か所のみだったが結局夜ほとんど弾き直してしまった。
・遊びでギターソロをもう1本追加。1本目のソロにハモるフレーズ(恥ずかしいやつ!)。採用はしないのは分かっている(笑)